2026.07.27
学び続けることで広がった、ネイリストとしての未来:ネイリスト 山岡さん

今回は、パラジェル・カルジェルのエデュケーターとして活躍されている山岡真理子さんに、ネイルを始めたきっかけやスクール時代、サロン勤務、独立、そして講師としての想いについてお話を伺いました。
現在はサロンワークを行いながら、アフロートでの特別講習や、ネイルエキスポ・ビューティーワールドジャパンなどのイベントでも活動されている山岡さん。技術やデザインの勉強を続けながら、お客様に喜んでいただけるネイルを追求されています。

ネイルを始めたきっかけ
山岡さんがネイルに興味を持ったのは、小学生の頃にマニキュアを塗っていたことがきっかけでした。
社会人になってからジェルネイルをしてもらった際に、とても嬉しい気持ちになり、「自分もネイルを学びたい」と思うようになったそうです。
大学卒業後は金融関係の会社でOLとして働いていましたが、「ずっとこのままではなく、自分の好きなネイルを仕事にしたい」という想いが強くなり、ネイルスクールへの入学を決意。スクールを調べてから約1週間で準備を進め、すぐに通い始めたといいます。
働きながら通ったスクール時代
会社員として働きながら、土日祝日や有給休暇を使ってスクールに通っていた山岡さん。約1年10ヶ月かけて学び、検定試験も一通り取得してからネイルサロンへ就職しました。
当時を振り返り、「スクールがとにかく楽しかった」と話します。
プライベートで遊ぶ時間よりも、学校でネイルを教えてもらう時間のほうが楽しく、自然とネイル中心の生活になっていたそうです。自分のペースで通える環境だったことも、無理なく続けられた理由のひとつでした。
また、スクールでは年齢の異なる生徒同士で練習を行う機会も多く、幅広い世代の方と関わる経験が、現在の接客にも活きているといいます。
特に印象に残っているのは、当時教わっていた先生の存在です。モチベーションを上げながら的確に指導してくれる先生に出会えたことで、楽しく学び続けることができたそうです。
ネイルサロンへ就職
ネイルサロンに就職した山岡さん。就職時は給与が大きく下がることもありましたが、それよりも「とにかくネイリストとしてやっていくこと」に集中していたといいます。
サロン選びで大切にしていたのは、技術力の高さでした。
「学ぶなら、お客様が求めるレベルが高いサロンで働きたい」と考え、表参道・恵比寿・渋谷エリアを中心にサロンを探していたそうです。当時はInstagramが今ほど主流ではなかったため、ホットペッパービューティーで気になるサロンを探し、実際に外観や雰囲気を見に行っていました。
最終的に、自分の好きなシンプルで上品なデザインの世界観に合うサロンへ就職。現在のサロンワークにもつながる、ナチュラルで洗練されたネイルの土台が作られていきました。
サロン勤務で感じた最初の壁
検定試験を一通り取得していたため、「できる」と思ってサロンに入った山岡さん。しかし実際に働き始めると、思うようにできないことの連続だったそうです。
人の手に施術する緊張感、お客様と向き合う接客、サロンワークならではのスピード感。検定とは違う現場の難しさを感じ、「できなくて当たり前」と思いながら少しずつ経験を積んでいきました。
特に苦労したのはオフの作業です。当時勤務していたサロンはマシンを使わず、手削りでオフを行うスタイルでした。先輩が1時間で塗り始めている中、自分は削るだけで1時間かかってしまうこともあり、悔しい思いをしたといいます。
一方で、この経験は現在にも活きています。ファイルの使い方や力加減、人の手で削る感覚を学べたことは、ネイリストとしての大切な基礎になったそうです。
また、金融業界での社会人経験も大きな強みになりました。社会人マナーや電話対応の経験があったことで、サロンでの接客や施術中の電話対応にも落ち着いて対応できたといいます。


育児、ブランク、そして再スタート
サロン勤務に慣れてきた頃、妊娠を機に一度退職。その後、子どもが2歳になるタイミングで復帰を考えましたが、コロナ禍の影響もあり、思うように再開できない時期がありました。
その後、別のサロンに就職し、そこで初めて本格的にマシンを使うようになります。経験は約8ヶ月、マシンも未経験という状態でしたが、先輩に教わりながら少しずつ技術を習得していきました。
「できるようになると、マシンはとても楽」と話す山岡さん。現在のサロンワークでは、デザインの厚みや爪の強度を求めるお客様も多く、マシン技術の必要性を実感しているそうです。
独立を決めた理由
復帰後はサロンワークを続けながら、講師資格の勉強にも取り組んでいました。しかし、講師の仕事とサロンワークの両立が難しくなったこと、そして子どもが小学生になるタイミングが重なり、独立を決意しました。
独立時に最も苦労したのは物件探しです。
自分のイメージに合うこと、お客様が通いやすい立地であることを条件に、インターネットで探したり、地元の不動産屋に足を運んだりして物件を探しました。現在のサロンは、光が入る明るい空間が気に入っているそうです。
独立して良かったことは、自分の好きな商材を使えること、そしてお客様と自由にコミュニケーションが取れること。サロン勤務時代は他のお客様への配慮から声のトーンや会話の内容を気にする場面もありましたが、今は一人ひとりのお客様としっかり向き合える環境になりました。
独立後に大切にしていること
独立時に意識したのは、初期投資をかけすぎないことでした。
最初からすべてを完璧に揃えるのではなく、自宅にあったデスクや椅子を活用し、できるだけ経費を抑えてスタート。最初は友人や知人、その家族など、理解のある方を中心に月5〜6名ほどのお客様から始めました。
少しずつお客様のリクエストに応えられるよう商材を揃え、売上の状況を見ながら必要なものを追加していったそうです。
料金についても、技術向上に合わせて見直しを行いました。1周年のタイミングでオフ代やフレンチ料金を見直し、お客様により良い技術を提供するために講座受講や勉強にも継続して取り組んでいます。
山岡さんのサロンでは、派手なアートよりもシンプルで美しい仕上がりを求めるお客様が多く、「どこに行っても褒められる」と言っていただけることが大きなやりがいになっているそうです。
講師として伝えたいこと
現在は講師としても活動する山岡さん。
ネイルを学び始め、ブランクを経験しながらも、学び続けることでネイリスト・講師・独立と仕事の幅を広げてきました。
講師になった理由について、「一生懸命やれば夢は叶えられるということを伝えたい」と話します。
教えるうえで大切にしているのは、生徒一人ひとりの進度や器用さに合わせること。自分にとって当たり前になっていることも、生徒にとっては初めてのこと。だからこそ、「できる前提」で接するのではなく、相手の立場に立って伝えることを意識しているそうです。
若い生徒の場合、最初は距離を感じることもありますが、少しずつ信頼関係ができると深くコミュニケーションが取れるようになります。技術だけでなく、安心して学べる関係づくりも大切にされています。
最後に
山岡さんのお話からは、ネイリストとして成長するために大切なのは、年齢やスタートの早さではなく、「学び続ける姿勢」と「好きなことに向き合う気持ち」だと感じました。
会社員からネイリストへ、サロン勤務から独立へ、そして講師へ。
一歩ずつ経験を積み重ねてきた山岡さんの歩みは、これからネイル業界を目指す方にとって、大きな励みになるはずです。
